援助職の燃えつきを防ぐには(2)燃えつきを経験している援助者は、自分の弱さや不完全さを人に見られないようにしなければいけないと思って、助けを 求められなくなる。 私自身、心理士なのに自分が心を病んだことが恥ずかしくて、 近くの自助グループには行けなかった。 本当は、もっと、本音の自分を出してもいいんじゃないだろうか。 カウンセラーだって、泣いたり、怒ったりしてもいいし、 間違えて謝ったり、感情を出していってもいいんじゃないだろうか。 私は、「こうあるべき」援助者になろうと、本来の自分でない 振る舞いをすることが多かった。 強さも弱さもある、不完全な人間としてのありのままの自分を 出していってもいいのだと思う。 そして、自分の気持ちを吐き出す場所をもうけて、 抱え込まないことである。 弱さを出せる仲間を作っておくことであり、そうした場がなければ、 紙に書くなどして定期的に吐き出すことである。 「お金をもらっているのだから」「トレーニングを受けたのだから」 いつでも人のお世話を出来て当然と思うかも知れないが、人間なのだ。 つらい気持ちをどんどん投げ込まれれば、その器は、 いっぱいになってしまう。 人の世話をするだけでなく、人から世話を十分に世話をされる 必要があるのだ。 燃えつきを防ぐためのひとつの方法に、リラクゼーションの能力を 高めるということを聞いた。 リラクゼーションとは、何もしないでいることや、 それに対して何の罪悪感も感じない能力である。 何かを達成したり、苦労することではなく、ただ何もせずに そこにいることをよしとすることである。 自分だけのために、何か自分の楽しいことをすることである。 人を助けたいと思う人たちは、何もしないでいることが難しい。 でも、人を助けるためには、必ずこうした時間が必要なのである。 「人を助ける仕事をしているから自分に価値があるのではなく、 何もしない自分であっても、自分そのものに価値がある」 そう思えることが大切なのだ。 ジャンル別一覧
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